受賞作品のご紹介

過去のフォトコンテスの受賞作品のご紹介です。
画像のリンク先は、各作品のインスタグラムの投稿ページになっています。

2023

金賞

「可愛い織姫さま」

ayaka.nikon 様

【 審査委員長講評 】
 七夕の季節になると、尾道の商店街には毎年大きな七夕飾りが 通りを彩ります。その彩り豊かな飾りを活かした華やかな背景を 作り、中心に主役を配し、低く構えたカメラで上方に飾りをたくさん入れることで、構図をうまくまとめています。
 カメラマンの立ち位置も良く、背後にアーケードの入口があることが幸いして、瞳に綺麗なアイキャッチが入り、振り返り際の活き活きとした雰囲気が撮れています。

★OnePoint アドバイス !
 もしお持ちのレンズの F 値に余裕があれば、少しボケ効果を効かせ、露出を若干明るく調整すると、キラキラとお姫様感が増して、さらに良くなると思います。 あとは、ちょっと恥ずかしいかもしれませんが、お子様をしっかり褒めて声掛けすることで、カメラ目線と笑顔をゲットできますよ。

【 審査員コメント 】
「七夕まつりの飾りをバックに振り向くモデルの子が可愛くて絵になる1枚だと感じました」
「明るく華やかな絵として」
「華やかで可愛らしい」
「願いが叶いますように」

銀賞

「みんな通る道」

ito__mk 様

【 審査委員長講評 】
 タイトルが素晴らしいですね。撮影者は商店街につながる小路と自身も経験したであろう人生という道を重ねて見ているよう。
 母と子の関係なのかなと感じ取れる、ムスッとした遠慮のない表情。ちょっと生意気なポーズ。愛らしさとセットで伝わってくるメッセージがいいですね。視覚的にはシンメトリーな構図に遠景の明るさが良い逆光になって被写体の輪郭を光らせ、壁面に同化せずに浮かび上がらせています。被写体がセンターから右にずらして配置されたのも良いです。雪がチラチラと光り舞っているところが暗部に映り込んでいるのも素晴らしいです。

★OnePoint アドバイス !
 惜しかったのは、少し露出がアンダー過ぎたところです。ムスッとした気分の演出としては暗さが効いているものの、ほんの少しですが明るくすることで表情がもう少し見えてくることと、雪のキラメキが増して冬の雰囲気がよく伝わったかなと思います。

【 審査員コメント 】
「塀に腕を乗せてポーズをとるモデルの不機嫌な顔(カメラマンの指示が面倒くさくなった?)と周りの景色が何とも言えずアンニュイな感じで、この場所を探りあてたくなりました。」
「町の印象を魅力的に表現できている。」
「小雪と女の子の表情と小路のアングルが素晴らしい。」

銅賞

「大輪の笑顔咲く街」

wiskycoke1173 様

【審査委員長講評 】
 店主の笑顔から、お客さんとの素敵な関係が感じられる作品です。天井からぶら下がるドライフラワーと左右に見える花々から、花店の日常の一場面であることが分かります。自転車が構図に入ることで、地元のお客さんなのだということも伝わってきます。撮影者は一瞬の出来事にも関わらず、丁寧にカメラを構え、自身がガラスに写り込まないよう配慮しながら引き戸の枠が歪まないよう撮影していることには好感が持てます。

★OnePoint アドバイス !
 商店街のアーケード内、そして店内の情景ということを考えると、実際の雰囲気もこれくらいの明るさだったと思いますが、もう少し明るい露出にするとさらに良いでしょう。ホワイトバランスも若干アンバー寄りなので、ブルー側に温かみを残しつつ微調整すると、白色の黄ばみが和らぎ、お花の華やかさがより一層引き立つと思います。

【 審査員コメント 】
「人の温かさが伝わる絵。」
「商店街の雰囲気が良く出ている1枚。花屋さんとかけたタイトルも素敵。」
「日常の生活の中で笑顔が溢れる素敵な1枚。」

「夕暮れ」

overflow911 様

【 審査委員長講評 】
 タイトルからも作品からも、日差しの温かさと二人の距離感か ら感じる心の温かさを感じ取れる、良い作品です。
 彼女さんの肩に腕をかけて歩く姿を察知し、日陰に入る前の最 高のタイミングでシャッターを切っている点も素晴らしいです。 仕上げにも工夫を感じ、暗部の明るさを引き上げて黒を緩めた ことで、冬の日差しの温度を感じさせてくれます。

★OnePoint アドバイス !
 惜しいなと感じる部分は、商店街のアーケードを意識しすぎた部分です。被写 体の二人の上部が広すぎたため、底辺を軸に上方をトリミングで狭くすると、 空間が抜けすぎていたところが整い、二人の存在感が増すことで温かさがより 際立ってきます。今後の作品も楽しみにしております。

【 審査員コメント 】
「商店街を楽しく散策する仲睦まじい二人の後ろ姿。見ているこちらも幸せな気持ちになりました。」

2022

金賞

「星座をくぐりぬけて」

keep7smile13 様

【 審査委員長講評 】
長かった憂鬱な霧が晴れつつある“今”という雰囲気を画面全体から感じる作品。 なにより希望に満ちたタイトルが素晴らしい。
尾道の商店街では、夏が近づく季節になると、地元の子供たちの願いが沢山付けられた「七夕飾り」がアーケードをトンネルのように店先に飾り付けられます。
この毎年恒例の行事もコロナ禍で見られなくなって、ここ数年ガランとした空虚な通りだったことを考えると、またこの光景を見られたたことに未来への希望が帰ってきたように感じます。こうした“雰囲気”をタイトルと二次元平面に上手く表現できている。
一見すると誰でも撮れそうですが、作品のあちこちに作者の工夫が読み取れます。
1つに構図の上手さ。四隅まで広がるよう七夕飾りに隠れたアーケードのラインに配慮が感じます。中心の消失点を少し下に配したことで天井への広がりが出来て、ここに写る人々と同じように写真を見る人も上を見上げるように鑑賞することができます。
2つめに、平面的な緑色の広告を白い飾りで色を残しつつバランス良く隠していることに作者のセンスを感じます。
3つめに、ホワイトバランスをアンバー寄りにして夏の蒸し暑さや匂い、懐かしさを表現出来ています。もしかすると撮影した日は曇天だったのかもしれません。空間全体が柔らかな光と影にエッジが優しい。そんなことを感じながら長く見ていられる作品に仕上がっています。

【 審査員コメント 】
「季節感が溢れていて良い。商店街ならではの写真だと思う。」
「色々な要素が盛り込まれているが、うるささがなく素直に七夕の賑やかさが伝わる作品だと思います。」
「ここ数年コロナ禍で中止だった七夕の飾りがある商店街が昨年再開したことで賑わう様子から忘れてた風景を思い出したから。」

銀賞

「文具店の一日が終わる」

jun_shanpo 様

【 審査委員長講評 】
シンメトリーに撮り、ぐっとアンダーに仕上げられた作品。小さく写る奥の店員さんに自然と目線を誘われます。「今日もお疲れさまです…」と声を掛けたくなりました。
実際にはアーケード内は通りに照明が灯っていて、自動露出でカメラ任せに撮ってしまうと、雑然とした商品群や看板の文字に目を奪われて何が伝えたいのか分からなくなりがちですが、作者は光の明暗をコントロールしてタイトルに掲げた“物語”を上手く描いています。大きくプリントしても似合う絵力がこの作品にはあります。
ここから更に上を目指すことを考えると、画面の面積バランスでしょうか。主題(中の店員さん)に対して暗くまとめた部分が少し広すぎた。もう半歩前に出て“イシネ”という看板の文字の一部を画面の外に出してあげると店の中への視線誘導が強くなり、さらに良くなると思います。

【 審査員コメント 】
「外の暗さと、薄明るい店内。何とも言えない独特な雰囲気のある1枚。これも商店街の一つの顔である。」
「店の奥だけ明るく、一日の〆の雰囲気が伝わってきます。」
「ノスタルジック!」

銅賞

「with パンダ」

__mai_gram__ 様

【審査委員長講評 】
娘さんを撮影した作品でしょうか? 彼女のリラックスした楽しそうな表情に作者との親しい関係性を感じます。画面の整理が上手い。
撮影された「あなごのねどこ・あくびカフェー」の店先にある昭和レトロな遊具は、尾道に訪れる多くの方が写真を撮りたくなるスポットですが、ラフに撮ってしまうと背景の個性的なアイテムの数々に画面が雑然としてしまいがち。
作者は可読性のある文字看板を画面の端に切ったり、アウトフォーカスにボカしたり。雰囲気は残しながらうまく整理されてます。
さらに作者の力量を感じるところに、建物をしっかり垂直に捕らえていること。こうした丁寧な背景作りが出来ているからこそ、画面左下に配した娘さんの気持ちがよく伝わってきます。色使いも上手く、優しく懐かしい。タイトル次第ではさらに上が狙える作品と感じました。

【 審査員コメント 】
「レトロでカラフルな雰囲気が可愛らしい。女子が好きそうな写真。」
「昔懐かしい風景。」

「お年玉を握り締め、心躍る。」

snap_goldmonkey 様

【 審査委員長講評 】
「これフィルムで撮られてる?」と、現代的でない写りと懐かしい雰囲気の仕上がっているこの作品に目が止まりました。フィルムと思いきや画面中央のピントが合っている部分はとてもシャープで。
この講評を書くにあたって使っている道具メモを読んで納得。レンズの特性を上手く活かしていることが分かりました。(このレンズちょっと欲しくなりました)
この作品の一番のお気に入りはタイトル。青いスカートの彼女。ぜったいスキップしてる♪ いい家族と親戚に囲まれた嬉しいお正月だったに違いない♪ 見ていて幸せな想像が広がりました。
全体的に冬のグレートーンにまとまった商店街に掛かる青いフラッグと、彼女の青いスカートは偶然でしょうか。いいアクセントになっています。国旗もお正月を知らせるメタファーとして効いている。
主題をアウトフォーカスにふわっと、光の中をスキップしてる一期一会の瞬間を逃さず捉えた作品。ウキウキな気分にしてくれる。上手い!

【 審査員コメント 】
「この子、何買うんかなー、とこちらも嬉しくなる。日の丸国旗が入っているのもいい。」
「後ろ姿からでも、きっと笑顔!と思うくらい。」

2021

金賞

「寄り道」

tomomo_n_dayo 様

【 審査委員長講評 】
写る人々の衣服から冬の季節だと思います。
露店が並ぶのは“お祭り”か“夏の催し”なのに…と不思議に思って調べてみると「昼から夜店」という行事が2月に実施されていたようです。
アーケード商店街ならではの光と影。商店と露店。そこに行き交うお客さんと学校帰りの高校生と小学生。そして季節は冬。 これらの要素がパンフォーカスで撮影され構図内に絶妙に配されている。
タイトルも良く沢山の要素がそこに写っているにも関わらず、児童や学生さんに目がいきます。 静止している写真なのに、人々の動きや露店からの香りにワクワクと賑わいを想像させる。
何気ない日常を写し撮った作品ですが、コロナ禍で窮屈な気分が続く毎日にあって、またこうした光景が帰ってきてほしいと、近い未来への希望が織り込まれた作品だと感じました。

【 審査員コメント 】
「商店街と露店と行き交う人々と立ち止まる子供達の何気ない商店街の風景を素直に撮られた、何も飾らない自然なままの良さがある作品だと思います。」
「活気ある商店街を再び取り戻せる思いのこもった一枚。」

銀賞

「街路灯」

mondo_ordinario 様

【 審査委員長講評 】
拡散する街路灯と車のヘッドライトの光が、わずかに濡れた路面と霧が掛かったようなしっとりとした雰囲気を作り出している。撮影者の技術力と知識に裏付けされた作品です。
撮影日の天気予報を見ると夕方からにわか雨が降っていたことで湿度が高くなった影響なのか、とても湿度を感じるますし、撮影者の演出としてブラックミストフィルターの効果で光を拡散させて雰囲気を強調しているようにも推測できます。
尾道の旧市街地区の夜はオレンジ色の街灯に照らされて独特の雰囲気に包まれまれ、尾道造酢の金色の看板も“らしさ”の良いエッセンスになっています。そんな中を自転車で掛ける2人は「何を話しながら帰路についてるのだろう?」そう感じる良いアクセントになっていて、作品に物語性を与えています。
駅から一番離れた位置にあるアーケードが無い商店街ブロックの「尾道通り」だからこそ描けた夜の雰囲気が目新しく美しいと感じました。

【 審査員コメント 】
「街路灯が綺麗に撮影されています。夜の商店街の魅力が出ていて良いと思います。」
「東の端の方まで足を延ばされて撮られた写真が少ない中で、よくこの商店街の東の端が見える位置から撮影された事と、夜の常夜灯の光の加減が良いと思います。」
「夜ならではの、夜しか見られない静かな商店街。静かだけど夜ならではの温度が感じられます。」
「 石畳と街路灯のぼんやり具合が美しい。」

銅賞

「「路地裏」配達お疲れさまです」

heinzel_maennche 様

【審査委員長講評 】
こうした小路は尾道の商店街には沢山あるのですが、具体的に何処だろうと探してみると「備前焼のお店」さんの左側から北側に抜ける小路で国道2号線に繋がっている場所。 商店街の中から外に向かって撮影されています。
ここはとても道幅が狭い。この狭さがギュッと建物が詰まって立ち並ぶ“尾道らしさ”を想起させてくれるように感じます。
作品の主題となる配達員さんの立ち姿が、小路という舞台装置の真ん中に入ることで物語が描かれていて「手に持つダンボール箱から想像を広げて、食材が入っていた空き箱を片手に電車の音が気になった瞬間?」 それとも「集荷に来られて裏口から出てこられる荷主さんを待っている?」等など、 見る人によって色々と想像が広がるところが面白い作品になっていると思います。
少し彩度が高すぎたかなと感じるところは気になりますが、左右均等に配した壁面と視点をうまく配達員さんに持っていく構図。さらには黒つぶれさせないよう、ギリギリ背景を白飛びしないところで露出をうまくバランスさせているところが上手い。
街を支え働く人はカッコイイですね♪

【 審査員コメント 】
「街中での暮らし、そして商店街のお店も、こうした配達の人たちに支えられています。そんな様子を象徴する1枚。」
「商店街の縁の下の力持ち、いつもお世話になって、助かっております。やったぞという達成感が伝わってきます。」
「商店街でいつも見る配達員の光景に人々の生活を感じたから。」

「自転車が似合う街」

wiskycoke1173 様

【 審査委員長講評 】
今、尾道では新しいオシャレな自転車店の出店が続いていて一つの顔になりつつあります。
そうした中でこちらの作品は「LORO CYCLEWORKS ONOMICHI」さんを舞台に撮影されているのですが、車両ではなくそこにいる人物を主題とすることで活き活きとしたストーリーを感じます。
“ 店主さんは開店の準備かな…? お店に目をやりながら駆け抜ける女性は学生さんかな…? 店内を気にしているということは、小径自転車に興味があるのかな…? ”
熟練のカメラ操作とテクニック。建物の水平垂直に安定した構図を作り、その上で空いたスペースに駆け抜ける自転車を配す。 「こう撮りたい」というイメージを心に描き、この構図に構えて通り抜ける自転車を待って何度も何度も撮影したのではないかと思うと頭が下がります。
マスク姿が今の時代を写し出しているなと感じつつ、早くコロナ禍が終わり、店主さんとお客さんの会話や笑顔が沢山溢れる繁盛店の風景が帰ってくることを祈るばかりです。

【 審査員コメント 】
「構図に脱帽。おなじみのママチャリと、お店でミニベロを整備する様子。動と静のような対比が魅力的な1枚。」
「商店主とお客さんの関係をうまく切り取っている。」

2020

金賞

「商店街にもクリスマスがやってきた」

saya_lilac 様

【 審査委員長講評 】
コロナ渦にあって気分が晴れない中ですが、やわらかな優しい光が溢れている作品。
お母さんとお姉ちゃん、お父さんと妹ちゃん。それぞれの目線に家族の思いが感じられて、親子の愛が感じられます。見ているだけでホッとする気持ちに。妹ちゃんの持ってる袋には何が入っているのかな?いろいろと想像しちゃいます。
親子を左下に配して光が差している右方向に空きを作っいることで広がりとゆったりとした安心感が上手く表現されています商店街ならではの通りの奥行き感。連なるクリスマス装飾も効果的に効いていて、通りのラインを構図の四隅にしっかり意識して切り取られてるところに撮影者の意識の高さを感じます。

【 審査員コメント 】
「構図がピッタリ。ファミリー、通りの曲がり、それぞれに動きを感じるタイトルもGOOD」
「毎年整然と飾られる、センター街のクリスマス。光の柔らかさと親子連れの様子が、平和で幸せな時間を素敵に切り取っていますね。」
「クリスマスの飾りの中での家族の楽しい買い物の雰囲気が伝わってきました。」
「クリスマスの飾り付けで華やぐ商店街とご家族の楽しそうな雰囲気が素敵です。商店街の奥行きも感じます。」
「遠近の画像も綺麗ですし商店街ならではの風景が素晴らしいとおもいます。」
「コロナに負けずクリスマスはやってくる。」

銀賞

「いつもの街角」

wiskycoke117 様

【 審査委員長講評 】
アーケードから差し込む柔らかな夕日。自転車で走ってきたおじさんが友達を見つけて立ち話。「最近どうしょうるんなぁ?」って会話が聞こえてきそう。荷台の段ボール箱には買いだした食材が入ってるんでしょうか?とっても良い瞬間に出会えた幸運と、それを逃さずにカメラを向けられた瞬発力がすばらしい。撮影者の「良い写真を撮るぞ」というスナップする意識の高さを感じます。
仕上げも夕日を感じるアンバーな色合いでいて、彩度を控え気味にしたことで、自然でいてノスタルジックな雰囲気に。撮影者の立ち位置も良くて、右奥に抜ける通りと連なるフラッグに奥行き感があって"商店街であることが伝わってきます。

【 審査員コメント 】
「色味のバランスと構図が良いです。」
「タイトル通り朝に散歩するとよくみかけるいい風景です。」
「商店街の何気ない風景。地元の方同士で交わされる挨拶やちょっとしたお話。見慣れた風景ですが,、そんな風景が私も大好きですし、この日々のちょっとした交流を私も大切に思っています。そこを切り取って下さって嬉しいのと何だかほっこりして温かさを感じるお写真です。」
「普段商店街でよく見る光景ですがこれぞ「いつもの商店街」。会話の声まで聞こえてきそうな一枚です。」

銅賞

「おのみちからメキシコ」

e_sta_gram 様

【審査委員長講評 】
テイクアウトができるように改装されたから見えるこの光景。コロナ禍への店主さんの対応と同時に新ししい風も感じる作品。老舗喫茶店のチャレンジと珈琲の香りがこの作品には写っています。
左の赤い看板はピントを外して脇役に、右手前の珈琲豆が入った瓶にフォーカスを合わせたところにタイトルの「尾道からメキシコ」がうまく表現されています。だれも写っていない通りも"今"を感じさせる重要な要素。
はやく状況が改善して通りに沢山の人々の姿が帰ってくることを祈って。

【 審査員コメント 】
「店内から見える商店街という少し雰囲気の違う見え方がユニークでした。」
「シンプルに、ふふっと笑えるコーヒーの香りが漂ってきそう。」
「一日中モーニング改め お楽しみください尾道を。」
「店内のコーヒーの香りとおばちゃんが好きなので選びました。」

「担ぐ前。」

ver_747 様

【 審査委員長講評 】
モジクロームに仕上げたこの作品。あえて色をなくしたことで担ぎ手の思いが伝わってくるようです。
時代の雰囲気も折り込まれているよう。夜に担ぐ神輿であることもアーケードに連なる光る看板や手前に伸びる影で感じられます。
背中を飾る法被の紋。モノクロームでアンダーに仕上げたからこそ白く浮き上がり、「神現をこれから担くぞ!」という雰囲気と、祭りの持つ疫病退散への思いがじわじわと伝わってきます。

【 審査員コメント 】
「出発前だからこそ色のないモノクロがふさわしい。動きだすと華やかな法被の色を想像させる。」
「モノクロのコントラストがオシャレ。少し緊張感がありタイトルとよくマッチしている。」
「カラーだったらいつもの風景だけど、モノクロにすることでいつも以上に重々しい感じになっています。好きな写真です。」

2019

最優秀賞

「迷い込んだ少女」

aka_canon 様

【 審査委員長講評 】
沢山の人々がシルエットとなって写っている中で一人だけフワッと浮き上がる少女。とても不思議な雰囲気をもったこの作品。よく見るとアーケード側面上部からの柔らかく入ってくる日差しと左の小路(石畳小路)から差し込んでくる反射光が交わるとても狭いポイントに下校中の小学生が絶妙なタイミングで入っているのが分かります。作者はこの一カ所に被写体が浮かび上がるポイントを知って、人が通るのを待っていたのだと思います。タイトルも秀逸で引き込まれました。

【 審査員コメント 】
「大好きな商店街。中商店街のレトロな照明もお気に入りで、ノスタルジックな雰囲気をおさえたこちらの写真、素敵です。」
「まずタイトルがGood!黄昏時がよりレトロ」
「物語性のあるタイトルの写真。少女にピンスポットが当たっているように光が差し込んでいるのが面白い。」
「たまたま入ってくる光がスポットライトになって少女だけを照らし、違う世界に迷い込んだ感じがする。」
「尾道のレトロな商店街の雰囲気がみえ、また、タイトルとあわせてストーリー性がある。」

優秀賞

「温泉机」

machangzhelang 様

【 審査委員長講評 】
「あ、アアぁぁ~」という気持ちいい声が聞こえてきます。「猫になりたい」心の中でそう思わずにはいられません。タイトルもよい湯加減を想像させて良いですね。1:1 のアスペクト比に猫と錆びた机とレトロな石油ストーブが気持ちよく収まっています。引き出しの下を温かい空気が上がってくる。見ているだけでココロ温もりました。

【 審査員コメント 】
「名物ねこちゃん。とてもユニークな風景。私も先日この風景を撮りました。誰もが微笑んでしまいます。」
「時が止まってて和めます。」

優秀賞

「お疲れ様〜」

chieko08 様

【 審査委員長講評 】
「今日もお疲れ様っ~」って声が聞こえてきそう。夏のイベントが終わって片付けの一コマでしょうか。一日の疲れと達成感にこやかに語らう商店街の店主さん。その後ろを下校中の高校生がガヤガヤと通り抜ける。イベントの多い商店街。行き交う学生さんが多い商店街。どちらも賑わう尾道の商店街らしい雰囲気がこの一枚に写っています。

【 審査員コメント 】
「仕事終わりの和やかさと夜の雰囲気が一日の終わりを感じさせて良いと思う。」
「昭和のおっちゃんという感じ。ほんとにお疲れさま〜」
「一日の仕事終わりに心地よい疲労感を感じる一枚。商店街の日常とコミュニケーションが写ったほのぼのとした写真。」
「仕事終わりの和やかさと夜の雰囲気が一日の終わりを感じさせて良いと思う。」

2018

最優秀賞

「僅かな時間(とき)の色模様」

chieko08 様

【 審査委員長講評 】
冬至を挟んで年に2回、尾道駅方向から商店街のアーケードに真っ直ぐに夕日が差し込む。 地元に住まう人でも中々目にすることがない日を見事に捉えています。
きっと作者はそれを知っていて、しっかり構図を決めて、主役が通りかかるのを待っていたのだと思います。 この作品に写る、学生さんの帰宅する後ろ姿に、懐かしさや青春の思い出を呼び起こす力がある。
尾道らしい美しい一枚となりました。

【 審査員コメント 】
「一日頑張って楽しそうな帰宅風景。明日に続く夕焼け。」
「色合いが素晴らしい。」
「夕暮れ時の日常が芸術的な雰囲気を出しているのがすばらしいと思いました。」
「美しい。私自身もこの時間のこの風景が大好き。学生さんもいい感じです。」
「夕暮れと影が美しい。」
「夕日に長く伸びた影がいい。ザ・ノスタルジック。」

優秀賞

「灯」

color_pencil828 様

【 審査委員長講評 】
尾道の灯りまつり。
地元の幼稚園から中学生までの学生さんを中心に神社仏閣から商店街の通りまで市中のあちこちに願いを込めた灯篭に火が灯されます。
作品に写る子どもさんは自分の灯篭を見つけたのか、それともお友達の灯篭を探してるのか。後ろに手を結んでいる指先の仕草も可愛らしい。
作者自身の目線から撮っているので少し見おろす角度。これが作品を見るものにとって親の視点と重なる。それが子どもを見守る気持ちを呼び起こします。
素敵な一枚です。

【 審査員コメント 】
「真剣な様子がかわいらしい写真です。」
「かわいらしい、心が温かくなります。」

優秀賞

「笑顔がつなぐ街」

wiskycoke1173 様

【 審査委員長講評 】
撮影された場所は尾道郵便局の側。毎日郵便配達の方が行き来する場所でもある。
主役となった二人は顔なじみなのか、笑顔溢れるワンシーン。日常に活き活きとした生活の声が聞こえてくる。
一枚の写真には視覚情報しか写らないのですが、この作品を眺めていると記憶が刺激されて、町の音や話し声が聞こえてくるよう。
音のある一枚となりました。

【 審査員コメント 】
「日常よく見かける風景が、ほんわかする。」
「自然な日常風景で良い。」

審査委員長

竹國照顕
写真家・SONY αAcademy 講師
鉄道写真・風景写真を中心に、瀬戸内地域の魅力を写真を通して発信している。
Setouchi PHOTO 写真教室を主宰

<インスタグラムアカウント>
@teruaki_takekuni_photograph

<ウェブサイト>
photolog-creatego.jp